2018年04月13日

何もかもパーフェクト!「祇園呂色」で夢心地ディナー

良いお店で良いお食事ができたら

その良さを是非多くの方に知っていただきたい。

そんな思いを込めてご紹介するのは

「祇園 呂色」

”呂色(ろいろ)とは、黒漆の濡れたような深く美しい黒色のこと”

日本の色名って素敵ですね。


京都は比較的良く訪れます。

母が亀岡市の出身であり、市内に親戚もあったり

兵庫県西宮に7年半父の転勤で住んでいた事もあり

旅行地というよりは、もっと身近な土地であります。

西宮北口から阪急・河原町まで1時間ほどで行かれますからね。


4月の京都。観光はほぼノープランで

行き当たりばったりでしたが、

呂色に伺う予定は最初から決まっており、

とても楽しみにしていました。


八坂神社前の四条通りに面した

井澤ビル 5Fにひっそりと佇むお店。

近隣並びには鍵善良房も。


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一見バーのような、一直線に伸びるカウンター席のみ。

華美な装飾を一切省いた店内には

ダイナミックなつつじの生け花が!

前の週までは桜を活けてあったそう。


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一服の絵画を愛でるような生け花がしつらえてある

正面の特等席をご用意いただきました。

テーブルセッティングも麗しい。


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オーナーシェフの小霜浩之氏。

とても温和な印象の方。


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呂色にお料理メニューはありません。

ディナーは税サ込み25,000円のお任せコース

ランチは税サ込みの10,000円のお任せコース

となります。

苦手な食材を聞いてくださるので

その場でのアレンジも可能です。




そして忘れてならないのが「ペアリング」

佐橋ソムリエが選ぶワインも料理に花を添え

驚きと感動を演出してくれます。

9グラスで10,000円、5グラスで6,000円。




※なおディナーは18:30に一斉スタートとなります。




またメニュー名は正式名称ではございません。

食材と調理法を聞き取ったまま書いています。






ディナー開始前の一皿は

冷製ホワイトアスパラガスのポタージュ


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佐賀県産のホワイトアスパラガスを使用。
りんごとスペアミントのシャーベットが乗っています。

こんな組み合わせは初めて!

国産のアスパラガスは甘みが際立つので

チョイスしたそう。

ほんのり甘いシャーベットと共に

スープなのかデザートなのか不思議な味わいでした。


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ペアリングはドン・ペリニヨンからスタート。


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アルコールが苦手な体質である為、

人生ン度目となるドンペリ!

さすがの風格。

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メインの食材のお披露目。

好みのお肉が選べます。

牛肉至上主義故、やはり松坂牛を味わいたい!とお願いしました。


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スプーンの一口アミューズ

~世界の三大珍味をコース仕立てで~


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右から順にいただきます。

キャビア・トリュフ・フォアグラが楽しめます。

この三品で、前菜・メイン・デザートを表現しているそう。

右:フランスのキャビアを使用。熟成させていないフレッシュタイプで

塩味も軽く、淡路島の新玉ねぎとレモンジャムと合わせて。

銀箔も乗ってゴージャスに。

中央:燻製うずら卵にトリュフエキスが注入されています。

黒トリュフ一片が乗り、香りが一層際立ちます。

左:フォアグラのプリン仕立て。バナナの甘みでデザート風に。

上に粒山椒、フォアグラ、スライスアーモンドが。


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この小さな世界で何という手の込みよう!!

一口で消えてしまうのが本当に惜しいというか

愛おしいお料理です。





フランス産ホワイトアスパラガスのフリット


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菊の花から作られた黄色いパウダーが鮮やか!

苦味を愉しむ為のフランス産アスパラガス。


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白味噌とマスタードのソースで上品な仕上がりに。

アニスの新芽がほんのり香り、味のアクセントに。





小霜シェフが見せてくださったホワイトアスパラガス。

巨大です!

その穂先だけ使ったフリットとは

なんと贅沢なんでしょう!!


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銚子産金目鯛の炙り 燻製のスズキと薬味をのせて


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お刺身でもいただけるくらいの金目鯛を軽く炙り

ほぼレアな状態でいただきます。

薬味はミョウガとキュウリ。

ソースは自家製出汁醤油とホースラディッシュで

お刺身風に。

ゴリゴリのフレンチではなく、和の技法も取り入れる姿勢

良い食材を活かす最善な調理

既に小霜マジックの手中にはまってしまいました。



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金目鯛とのペアリングはチェコのオレンジワイン。

色もオレンジ色なのです。






鳥取産黒藻と甘エビの和え物


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酢の物?!と思いきや

パッションフルーツ、ライム、ライチのジュースで和えていると!

何と言うか柔軟な発想に脱帽です。

黒藻は別名「坊主殺し」というそう。

お坊さんがあまりの美味しさに食べ過ぎて死んでしまったとかw

しゃくしゃくとした食感が楽し海藻です。

沖縄産の海ぶどう、甘エビも入り

初夏を感じさせる爽やかな一品でした。


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フランス産フォアグラ キャラメルソースとピスタチオのペーストで



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弱火でローストされたフォアグラに

キャラメルソース仕立てで甘い仕上がりに。

ピスタチオや苦味を演出するカカオニブが振り掛けられ

まるでデザートのような一品。

フォアグラは臭みもなくムースのように食べやすい。


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フォアグラとのペアリングは純米大吟醸「順子」

フルーティーな香りはワインのよう。






朱塗りのお盆に乗っているのは

牛タン元の煮込み 生えのき茸を乗せて


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形を保つ限界まで6時間煮込まれたタン元は

噛まなくてもいい、飲めます。

生えのき茸のシャキシャキした食感と対照的。

口直しにローストピーナッツが添えられています。

白く散らしてあるのはスペイン産のチーズ。

牛1頭からわずか500gしか取れない希少部位を堪能しました。


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牛タンとのペアリングはイタリアの白ワインで。

えのき茸の香りのイメージと合わせたマリアージュ。






淡路産大穴子のフリット 新ごぼうを乗せて


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ソースは赤ワイン、山椒、穴子の骨を煮出したもの。

鱧の骨切りと同じ手法で細かく包丁が入っており

骨を全く感じさせないふわっふわの食感。

穴子に対して食感が楽しめるごぼうという

食材合わせの妙にまた感動させられました。


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穴子とのペアリングはボルドーの赤ワイン。

魚は白という定石にとらわれない柔軟なチョイスです。






カウンター席ならではのシェフの仕事ぶりを

垣間見るのも楽しみの1つ。


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奥のキッチンで下ごしらえを済ませ、

カウンター前で仕上げと盛り付けを。

目の前で料理が仕上がって行くのを見ていると

ワクワクしますね。






五島列島産のどぐろの揚げ物

のどぐろ骨と牛コンソメのスープと共に


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どのお料理も絵画のようにキレイで

サーブされる度に感動してしまいます。

のどぐろは皮目はパリっと、身はふわふわ。

添えられているのは、菜の花、せり、からし菜、
花粉症にもいいという和歌山の柑橘じゃばら、
マスタードの香りがするナスターチューム。

知らない食材が続々とラインナップされています。

柚子を効かせたスープも美味しくて残さずいただきました。


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のどぐろとのペアリングはブルゴーニュの白ワイン。






さあ、いよいよメインディッシュの出番です。

ナイフはこのトレイから好きなものを選んで使います。


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最初に選んでおいた松坂牛が恭しく運ばれてきました。

これから仕上げに入ります。


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目の前で、更に炭焼き。


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松坂牛のステーキ


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じっくりじっくり火を入れたお肉。

選んだナイフでスッと切れます。


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味付けは桜塩・昆布塩・ソースをお好みで。

さすがは松坂牛。噛む度にじゅわっと甘みのある

脂と肉汁が滲み出してきます。

最高峰の牛肉の味ってこれなんだな…と実感。

ローズマリーの香りが滲みた素揚げの新じゃがは

ホクホクでお肉に負けず美味でした。


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松坂牛には赤ワインをペアリング。

もう殆ど飲めなくなってきて、

ワイングラスを回して香りを愉しんだり

少々口に含んでお味の確認をしてみました。






お料理でいただいたワイングラスが壮観です。

飲めない我が身が口惜しい・・・[あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)]

お酒に強かったら喜んでカラにしていたのに。


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ワイングラスもそれぞれのワインに合わせて形も様々。

ワインのカラーも様々。

あまり飲めないけれど、香りと目で見て楽しみました!





お食事は福岡産の筍の炊き込みご飯
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湯気の上がる土鍋で登場です。


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今年の初物!筍がたっぷり入っていて嬉しい!!


お椀には雲丹も乗ってシソの花、花型にくり抜いた海苔も添えられ

ご飯と言えども美しい!!


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さらに桜エビのかき揚もトッピング。

赤出汁も筍ご飯に良く合います。


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あれ?ここって和食レストランでしたっけ?

お箸にご飯で妙にほっこりしてしまい

コースを思い返すと和食カラーの強いメニューという

印象が残りました。




フレンチ出身の小霜シェフですが、

フレンチの枠にとらわれず、日本各地の食材を活かす

和の料理も取り入れて提供するスタイルなのが

呂色の特徴だからなのですね。






ベリーのパフェ


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ワイングラスに入った食べてしまうのが勿体ないくらい

フォトジェニックなデザート。
ラズベリーゼリーにベリーに薔薇の香りをつけたアイスクリーム、

ベリーのメレンゲ、いちごにブルーベリー、

フルーツトマトも入っていました。


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ざっくり混ぜていただくのがおススメだそう。



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ベリーのデザートとのペアリングは

微発泡を感じる熟成が若いデザートワイン。

軽めの甘さのワインでした。




最後の最後に出てきたのは

ドーム型の器と蓋付きの茶器。


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なんと、小菓子とプーアル茶でした!

熟成プーアル茶は独特のクセもまろやかな味わい。

飲茶をいただく時、油を流してくれるお茶として

飲まれているだけに、翌日胃もたれしないのだとか。



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小菓子もユニーク!

奥のピンクと緑のものは「おこし」、

チョコがけになっているのはかりんとうと昆布。

最中の中にはきな粉と黒豆のクリームに、

柑橘ジャムが入っていました。


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以上、13品。近年の中で最高峰のディナーでした。

お店のつくりも食器もペアリングも全てにおいて

お料理を美味しくいただける演出であり、

小霜シェフの実力をまざまざと見せつけられました。

私が評価するなどおこがましいですが

美しくて美味しいって最強ですね。




おまかせメニューは月ごとに模様替えするそう。

季節ごとのメニューをまた味わいたいものです。






祇園 呂色フレンチ / 祇園四条駅河原町駅三条京阪駅
夜総合点★★★★ 4.8






































posted by 紫苑みやび at 21:14| Comment(0) | グルメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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